二匹の鯉を寄り添うように配し、異なる向きへ流れる胴体と鰭によって円環を思わせる動きをつくっています。
全長約43mm・最大幅約28mmの比率を生かし、細部を詰め込みながらもモチーフの向きと重心が一目で伝わるよう、職人が一点ずつ面と輪郭を整えています。
銀と真鍮の色調差が各部の境界を明瞭にし、単一素材とは異なる奥行きと温かみを加えています。
襟元の開いたシャツに合わせると、胸元の主役になります。
単体使いのほか、長さの異なるトップとの重ね着けにも取り入れられます。
鯉について中国の「登龍門」の伝説では、黄河上流の龍門にある急流を越えた鯉が龍になると伝えられています。
その物語から鯉は立身出世を想起させる意匠として親しまれ、龍の起源とも伝えられてきました。
龍頭では水面から跳ね上がる姿や二匹が寄り添う構成を通して、鱗、鰭、胴体のうねりを手仕事で立体的に表現しています。